Little AngelPretty devil 〜ルイヒル年の差パラレル

     “うまうまが いっぱいvv” 〜別のお話篇

 

甘いものが好きなセナくんにとって、
バレンタインデーがある二月と、
ひな祭りとホワイトデーがある三月は、
スイーツのお店の
ショーウィンドウを見るのが楽しみな季節vv

 「あとねぇ、
  パパやママが、お出掛け先から
  お土産買って帰って来るのもワクワクなのぉvv」

契約先の方の事務所や会社があるところというのが、
繁華街の近くだったり、
オフィス街でも
進物にお薦めっていう手土産用の
お菓子のお店があったりするので。
お化粧品やお洋服と一緒で、
季節毎の新作とかあるの、
あれこれと見て回れるのが嬉しいって。

 「ママが ゆってたのぉ〜vv」

うん、勿論 セナも ごしょーばんするんだよ?と。
袖にあしらわれたシャーベットピンクや
裾を折り返した玉子色のパンツがお似合いの、
ご本人こそ春のスイーツみたいに、
ふやふか・ほあほあした存在さんが、
とろけそうな笑顔を見せたりしたならば。

 「〜〜〜〜。///////」

あえて字に起こせば
“ほあぁああ〜〜vv”とでもいうところか。(笑)
この状態でうっかり何か持たせていたならば、
間違いなくの見境なく、握り潰されていよう、
天然クラッシャーな進なのを、

 “う〜ん……。”

困ったもんだと苦笑交じり、
武士の情けで何とか見て見ぬ振りをしつつ、

 「じゃあ、セナくんは
  ケーキとかプリンとか洋菓子が好きなのかな?」

こちらさんだって甘いところでは負けちゃあいません、
まだアイドル業へも片足引っかけておりますの桜庭さんが、
優しく問いかけてあげていて。
それへ、う〜んとと一応は考えて見せてから、

 「そーゆうのも好きだけど、実は焼き芋も大好きですvv」
 「そっかぁvv」

大学の春合宿が始まる前とあって、
ちょっと間ほど逢えなくなるもんだから。
お不動さん…もとえ、進さんには セナくん不足になるのを見越し、
パッション注入のためのおデートと相成ったのだが。

 “何でついて来ちゃったものか…。”

新装開店したショッピングマートで、甘味デートということで。
詳しいことが判らないから通訳と解説を頼むと、
進さんからのみならず、
実は監督やマネージャーさんからも頼られた桜庭くん。
もっとも、後者のお二人からは

 誰かさんの問題行動を
 阻止してほしいという方向でだったりしたもんで。

口下手な進がいちいち気の利いた物言いで応じてやれないこと、
実を言や、セナくん自身へは まったくもって問題ない。
目線が泳いだり瞬きしたりするのでもって、
ちゃんと“うん”とか“そうだな”とかいう意志は伝わっているのだそうで。
ただ、周囲に居合わせた善良な人たちから、

 ナニこの人、あんなかわいい子に話しかけられてその反応は無いっしょ、
 もしかして泣かしたいのかオイ、そんなのこのワシが許さん…と

通報されたり、突っ掛かられたりしたら、
一体誰がフォローするのでしょうか。

 “何でワイドレシーバーが
  ラインバッカーを止めにゃあならんのか。”

しかもしかも、セナくんと意気投合し過ぎると、
話に付いて来れなんだ誰かさんから、恨めしげな顔をされかねずで。
なんか色々不合理だよんと、
ついつい とほほんという苦笑交じりにも なるものの、

 「はや? 桜庭さん?」

どうしましたかと小首を傾げた小さなセナくんが、
うるうるの大きな瞳を見張ってのキョトンとし、
それからそのまま、黒々した潤みをたわませてのにっこり微笑う。

 “う…うわぁあvv”

マシュマロみたいな甘い笑顔は、
成程、王城ファンの女子の人たちを魅了し、
あの賊学のおっかない面子を率いる(?)子悪魔様まで
骨抜きにしているのがようよう判る愛らしさなので。

 「???」
 「ああ、いや、そうそう。
  もうお昼だし、何か食べようか?」

かあいらしくもファンシーなグッズばかりを見て回っていた
雑貨屋さん巡りが丁度キリのいいところとなってもいたのでと。
何を双眸見張っているかなと、
そちらさんは胡亂そうな眸となってしまった、
ラインバッカーさんへの誤魔化しも兼ねつつ、
慌てたように口走れば、

 「あ、あ、セナね、おうどんが食べたいですvv」

何だか大変な冒険を告白するように、
小さなこぶしを懐ろへと引きつけて宣言したおちびさんであり。
どんなに頑張って力んでも、
さっき覗いたグッズショップの、
“今イチ押しvv”となってたマスコットのよな
愛らしさを発揮させるばかりなのだが、

 「きのーテレビで、美味しそうなの見たんですよォvv」

茹でたのに玉子交ぜて掻き混ぜて、
黄色くなるおうどんがとっても美味しそうだったですと、
小さなお手々を上げるので、

 「ああそっか、釜たまだね。」

 あれってカルボナーラみたいで美味しいんだよね。
 それ、テレビの人もゆってましたvv
 でも、セナくんて猫舌じゃなかったっけ?
 だいじょぶですもんvv

そこで、ね?進さんvvと、何でか話を振るセナくんで。
確か来ないだの逢瀬以来、逢ってなかったんじゃなかったか、
だったらボクが知らない話が挟まるはずは無いんだがと、
何でだろうかと小首を傾げるアイドルさんなのへ、

 「ああ。缶入りココアを一人で飲めるようになったものな。」
 「そなんですよvv」

プルトップはヒル魔くんに開けてもらわないとダメですけど、
販売機で買ったのとかアチアチなまま、
でもでも自分で持って飲み切れるようになったですと、
よほどに自慢か、えっへんと胸を張る坊やであり。
そっか携帯のメールで報告してた話だなと、
そこまでは桜庭にも話が通じたものの。

 「釜たま食べて、大きくなって、
  進さんみたいな頼もしー選手になるんですもんvv」

 「…いやあの、えっと。」

進もそこで痛々しい眸をしてないで説得しなっ、と。
斜めになってコケる間もあらばこそ、
今や日本一の最強ラインバッカーさんへツッコミが出来る男、
ある意味で彼こそ最強かもしれない桜庭さんだったのでありました。





     〜Fine〜  13.03.05.


  *こないだから妙に
   “ぷにぷにかわい子”サイクルになってるようでして。
   平安朝のお話に飽き足らず、
   こっちでも ふわふか・もふもふなお子様のお話ですいません。
   ひらがなが多くて、さぞかし読みにくいでしょうねぇ。(う〜ん)

   いや何、日参しているサイト様がありましてね。
   そちらさんへは
   ぷに系のかわいいキャラ目当てで通っているのですが、
   スポンサーリンクのところへ、
   男塾のパチスロ宣伝が出ていて、
   その落差がなんとも大きくて…。
   ここまで世界観が違うってどうよと、
   ドキドキしちゃった変な奴でございます。
   (ちなみに 虎ちゃんが好きですが、なにか?)
こら

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